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2024.3.10 07:00ゴー宣道場

新しい職場のマスクメン

二度目の登場、ただしさんです。
前回はコロナ禍・マスク圧の真っ最中にノーマスクを通したお話でした。
https://www.gosen-dojo.com/blog/45170/

今回は、5類移行後とはいえマスク圧がまだ気になる中、転職して新しい職場に向かった話です。
さて、そこでもノーマスクで通すことができたかどうか…?

 


 

年が明け、スーパーで別の仕事に移った。先輩の車の横に乗り、買い物難民となっている高齢者の元へ販売に行く仕事だ。

先輩はコミュ力が高く、従業員にもお客さんにも人気があったが、腹黒かった。ジャイアン似の相方と、スネ夫と出木杉くんを足して2で割ったような相棒の3人で、他人の悪口ばっかり言っていた。

仕事を始めてすぐにイヤな予感が当たった。その3人からマスクをするように言われたのだ。
「先輩のお客さんの前に行くのだから当然だ」と言われた。

半分納得した自分は「はい」と返事をし、次の日にはして、その次の日にはしなかった。習慣がないので忘れてしまうのだ。

そのままズルズルしないでいると、また言われた。「はい」と返事をし、その日はして、次の日にはもう忘れた。途中で気付くも、言った当人が気にしていないようなので、そのままにした。

ある日、別の話題からマスクの話になった。鼻炎と蓄膿症をもっていることを告げると、それきり言われなくなった。

月が変わり、またスーパーの別の仕事に移った。本社の担当者と、民家を一軒ずつ営業回りする仕事だ。
いつもニコニコ恵比寿さまのような人だったが、つねに目の奥は笑っていなかった。

3ヶ月ほど前、3日間だけ仕事の基礎を教えてもらった時、「お客さまの前ではマスクは必須」と言われ、納得し「はい」と従った。

初日、マスクをして行くつもりが、またもや忘れてしまいヒヤヒヤした。ノーマスクには何も言われなかったが、営業先でグイグイ前面に押し出された。マスクは必須じゃなかったらしい。

2日目、マスクをするよう注意された。持っていないことを告げると1枚くれた。
「お客さまの気持ちになって考えよう」と言われ、いちおう「はい」と従いながらも反骨心が芽生えた。

3日目、午後からノーマスクにしてみると、気付かれないのでそのまま通した。

週初めの4日目、マスクをしようかしまいか迷うも、ホテルの安カミソリで切ったアゴのキズが刃傷沙汰を思わせるほどエグく、バンソーコーも目立つためマスクで隠すことにした。
この日、ほとんど放置プレイ状態でやらされた仕事の結果は上々だった。

5日目、午前中のみだが、初めて1人きりで仕事をする日、ノーマスクで臨んだ。結果は散々だった。

6日目、「ひょっとしてマスクに効果があるのだろうか」と心が揺れマスクを装着。仕事の結果はかなり良かった。

7日目、背に腹は代えられぬとマスクを装着。仕事の結果はイマイチだった。

8日目、考えてみると、ノーマスクの日の仕事は半日だけだった。しかも1人では初日。
結果を求めるあまり、マスクなんぞにすがろうとした自分を恥じた。
マスクをはずし挑んだ週の最終日、仕事は初日に次ぐ結果を残した。

この日、断られたお宅を出て歩いていると、追いかけてきたマダムからチョコレートをいただいた。バレンタインデーの2日後、まん丸の可愛い手作りチョコレート、2個。
美味しさと気持ちが嬉しく、元気と勇気が出た。

翌週、ノーマスクのまま続けた仕事は順調に進み、予定よりも早く目標件数に達し終了。担当者以上に結果を残した日もあった。

結局、仕事の結果とマスクは関係なかった。
回った先々の民家で、マスクをしていた人は1割いたかどうか。ノーマスクを拒否する人も、対応がおかしくなる人もゼロ。
車で販売に回っていた時も、ノーマスクへの苦情も売り上げへの影響も全く無かった。

当の腹黒先輩や恵比須顔担当者でさえも、すぐに忘れて自分と笑って会話をしていた。

そんなものなのだ。
いまだに一部の職場に生息するマスクメンも、湧いて出るマスクケーサツも、結局、他人のことなどどうでも良く、見ていないのだ。見ているのは世間の空気と、それに合わせているはずの自分。

「世間」とは、「公」ではなく「集」、「自分」とは、「個」ではなく「私」。
きっと、自分のことばっかり考える私人の集団が今の日本社会なのだ。
そしてきっと、「公」を備えた「個人」の言動こそが、人間に感動を与え、人間を突き動かすのだろう。

 

 


 

 

誰も何も考えてなんかいません。
そして、マスクケーサツをやってた人だって、そのうちみんな、自分が何をやっていたかということすらケロっと忘れてしまうのでしょう。
そんなものなのです。
そんなものなのだとわかっちゃいるのですが、だからしょうがないとは言いたくありません。
そんなものでしかない世間とぶつかりながら、進んでいくしかないのでしょう。(時浦)

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